冪乗函数

複素数の複素数乗を定義しよう。 対数関数を用いて次のように定義する。

一般のα\alphaに対し、

zα=exp(αlogz) z^\alpha=\exp(\alpha\log z)

と定義する。

対数関数が多価関数であったことから、f(z)=zαf(z)=z^\alphaも一般には多価関数となることに注意せよ。 ただし、exp\expが周期関数であることにより、α\alphaの値によってはαlogz\alpha\log zの多価性が消える場合がある。 α\alphaが整数であれば一価正則に定まる。 有理数であれば有限通りの不定性がある。

べき関数の定義を与えよう。 例えばf(z)=z=z1/2f(z)=\sqrt{z}=z^{1/2}でも上の対数関数と同様にC\mathbb{C}上で一価正則な関数として定義することはできない。

指数が複素数の冪乗は注意して計算する必要がある。 次の計算がどこがおかしいか考えよ。

1=(1)2=1×1=(1)2=1=1 -1 = (\sqrt{-1})^2 = \sqrt{-1} \times \sqrt{-1} = \sqrt{(-1)^2} = \sqrt{1} = 1

実数xxに対するx\sqrt{x}は二つある平方根のうち正の方をとる、ということで全ての実数に対して一斉にx\sqrt{x}を定めることができ、 これが連続関数となっていた。

複素数に対しては、二つある平方根のうち、例えば偏角が00以上π\pi未満の方をとることにすると、一斉にz\sqrt{z}を定めることができるが、 これは連続関数とはならない。 単位円周に沿って一周連続的にz\sqrt{z}の値を変化させるとどうなるかを考えよう。