複素数の四則演算

足し算と引き算はベクトル空間R2\mathbb{R}^2のものと同じである。 つまり実部同士と虚部同士をそれぞれ足し引きすればいい。

(a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i(a+bi)(c+di)=(ac)+(bd)i (a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i\\\\ (a+bi)-(c+di)=(a-c)+(b-d)i

この定義のもとで、a+bi=(a+0i)+(0+bi)a+bi=(a+0i)+(0+bi)である。

掛け算は次のように定める。

(a+bi)(c+di)=(acbd)+(ad+bc)i (a+bi)(c+di)=(ac-bd)+(ad+bc)i

これは、i2=1i^2=-1かつ実双線形(分配法則を満たす)という条件で特徴づけられる。

この定義のもとで、bi=(b+0i)(0+1i)bi=(b+0i)(0+1i)である。

割り算をどう定義するかを考えよう。

(a+bi)/(c+di)=(a+bi)×1c+di (a+bi)/(c+di)=(a+bi)\times\frac{1}{c+di}

とすることで、逆数を定めればよいことになる。

では逆数はどう定めるかというと、

(a+bi)(x+yi)=(axby)+(ay+bx)i=1 (a+bi)(x+yi)=(ax-by)+(ay+bx)i=1

となる複素数x+yix+yia+bia+biの逆数であるから、この方程式を解けばよい。

すなわち

{axby=1ay+bx=0 \begin{cases} ax-by=1\\\\ ay+bx=0 \end{cases}

あるいは行列とベクトルを用いて

(abba)(xy)=(10) \begin{pmatrix} a&-b\\\\ b&a \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x\\\\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1\\\\ 0 \end{pmatrix}

を解くことで、x=aa2+b2,y=ba2+b2x=\dfrac{a}{a^2+b^2}, y=\dfrac{-b}{a^2+b^2}となり、

1a+bi=aa2+b2+ba2+b2i \frac{1}{a+bi}=\dfrac{a}{a^2+b^2}+\dfrac{-b}{a^2+b^2}i

とわかる。

あるいは、(a+bi)(abi)=a2+b2(a+bi)(a-bi)=a^2+b^2となることを利用して、分子分母にabia-biをかけると考えることもできる。

この四則演算について、通常の実数の和や積と同様に結合法則や交換法則、分配法則が成り立つことが証明できる。