一般的なコーシーの積分定理
より一般の状況における積分定理を述べるため、いくつか言葉を用意しよう。
空でない連結開集合Ω⊂Cを領域という。
ここでΩが連結であるとはΩの部分集合で開集合かつ閉集合であるものがΩ自身と∅のみであることをいう。
閉曲線Cのz=aについての回転数n(C,a)を
n(C,a)=2πi1∫Cz−adzで定義する。
反時計回りの単位円周をCとしたとき、n(C,0)=1,n(C,2)=0である。
閉曲線の形式的な和をサイクルという。
領域D内のサイクルCが、Dに関して0にホモローグであるとは、
Dの補集合の任意の点aに対し、n(C,a)=0であること。
D=Cとし、Cを反時計回りの単位円周とするとこれはDに関して0にホモローグ。
一方でD=C∖{0}とすると、このCはDに関して0にホモローグではない。
この概念を用いて、コーシーの積分定理をより強い形で述べる。
fが領域D⊂Cで正則とする。
D内でホモローグ0な任意のサイクルCに対し、次が成り立つ。
∫Cf(z)dz=0
ここではこれについて証明はしない。
重要な点は、コーシーの積分定理を成立させるためにホモローグ0という位相幾何的な条件を考えることにある。