解析接続

一致の定理を用いることで、正則関数の解析接続という概念を導入する。 領域Ω1\Omega_1で正則な関数f1f_1と領域Ω2\Omega_2で正則な関数f2f_2が、共通領域Ω1Ω2\Omega_1\cap \Omega_2においてf1=f2f_1=f_2であるとき、Ω1Ω2\Omega_1\cup\Omega_2における正則関数ffであって、Ω1\Omega_1上ではf1f_1に一致し、Ω2\Omega_2上ではf2f_2に一致する関数が定まる。 このような条件を満たすffは、一致の定理からただ一つに定まる。 これをf1f_1(あるいはf2f_2)のΩ1Ω2\Omega_1\cup \Omega_2への解析接続という。

上の一意性は単にffが連続関数であったり実関数としてのCC^\infty級という条件では成り立たない。 つまり正則関数に特有の性質であることに注意しよう。

共通部分Ω1Ω2\Omega_1\cap\Omega_2が連結でない場合、その複数の連結成分において同時にf1=f2f_1=f_2が成り立つとは限らない。 このような例は後で紹介する。

ベキ級数

f(z)=1+z+z2+ f(z)=1+z+z^2+\cdots

z<1\lvert z \rvert<1で絶対収束し正則関数を定める。

この範囲で、等比数列の和の公式から

f(z)=11z f(z)=\frac{1}{1-z}

となる。

この右辺の式はz1z\neq1で正則関数を定める。